ネイチャー木村はジダン選手を支持します。

「ヒーローだったら(観戦を楽しんでる自分のために)何があっても最後までフェアプレーを貫き通してくれるはずだ」という一方的な解釈をする節があります。

それは彼らにとっていい迷惑です。ヒーローであるためには、常人の何倍もの苦悩を抱えているのです。

私たちの一方的な解釈が許されているように、ジダン選手がみんなを当てにして「ここで喧嘩しても戦争にならない、頭突きで収めてくれる」としでかした、やんちゃな行為を許してやりましょう。私たちには謝っているのだから。

…でもマテラッツィ選手には謝っていないから、彼は許さないでしょうね。


…ジダン選手の母語る

【ローマ海保真人】英大衆紙「デーリー・ミラー」によると、ジダン選手の母マリカさんは友人に「息子(ジダン選手)が家族の名誉を守ったことをほめたたえたい」と語った。イタリア各紙もマリカさんの言葉を転載した。

マリカさんは一連の出来事を聞き「本当にむかついている」と言い、「W杯の決勝であろうとも、ひどい侮辱に甘んじてはならない。家族一同、(ジダン選手の)選手生活がレッドカードで終わったことを深く悲しんでいるが、彼は少なくとも名誉を守った。サッカーより大事なことはある」と話した。

さらにイタリアのマテラッツィ選手に対し「軽べつの気持ちしかない。彼が言ったことが事実ならば、ひどい目にあわせてやりたい」と語ったという。

毎日新聞 2006年7月13日 11時24分



ジダン:彼は耐え難い言葉何度も…テレビ発言の要旨

テレビ番組のインタビューに答えるジダン選手=12日、ロイター サッカーのワールドカップ(W杯)決勝で退場処分を受けたフランスのジダン選手が、12日にテレビで行った発言の要旨は次の通り。

(マテラッツィ選手が)シャツを引っ張るので私は欲しいなら試合後に交換してやると言ったんだ。そうしたら彼はとても耐え難い言葉を口にして、それを何度も繰り返した。言葉は暴力以上に激しいことがある。私の非常に奥深いところに触れる言葉だった。

(侮辱の中身を言うのは)大変なことだ。母と姉にかかわる極めて個人的な内容だし、非常に激しい言葉だ。一度耳にしたら逃げ出したくなるような言葉だ。私は実際に逃げ出したが、二度、三度と耳にした。

何よりもまず自分は男だ。だから立ち向かった。もちろんやるべき行為ではない。テレビで20億人、30億人の人たちが(決勝戦を)見ているわけだし、何百万もの子供たちが見つめているのだから。彼らに対して自分は謝罪する。

(しかし)自分の行為を後悔するわけにはいかない。後悔すれば(マテラッツィ選手が)ああいう言葉を口にするのは正しかったということを意味してしまうからだ。それはできない。

(国際サッカー連盟に)言いたいことは、挑発がなければ、それに反発する(暴力)行為も起こり得ないということだ。責められるべきは挑発してくる人間だ。W杯の決勝で、自分の選手生活の終わりまであと10分しか残っていないという状況で、自分の喜びのために私があんな行為をやったと思いますか。

わたしがやったことは許されない行為だ。しかし言いたいことは、本当に責められるべき人間を罰する必要があるということだ。

たくさんの人が(もう一度プレーする気はないかと)声を掛けてくれるが、(引退は)既に決めたことだ。(共同)

毎日新聞 2006年7月13日 10時55分 (最終更新時間 7月13日 12時52分)




ジダン頭突き:宗教的見地からイラン紙が賛辞

11日付のイランの保守系有力紙ケイハンは、サッカー・ワールドカップ(W杯)決勝でフランスのジダン選手が相手に頭突きをして退場になったことについて、宗教的信条を侮辱されたのが原因と指摘し「胸を張って退場した」とたたえる記事を掲載した。

同紙は「W杯最高の選手は自らの(イスラム教徒の)アイデンティティーを守った」「彼は薄っぺらい名誉を捨て、マスコミの批判を甘んじて受ける覚悟ができていた」と絶賛した。(テヘラン共同)

毎日新聞 2006年7月11日 22時47分



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