ある日、鳴保神社の神主が熊四郎を訪ねてきて、こう言ったんだと。 『実は万座の大蛇が暴れだして昼も夜もゴーゴー音がし、鳴保までも地響きがして村の衆も旅人もおっかながって万座を通れねえで困っているだぁ。おめえさんはこの村で一番の猟師と聞いておる。その腕を見込んで、どうかあの大蛇を退治してやってくれねえだんべえか。』

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