Sorry, your browser doesn't support Java(tm). 4月下旬、長く厳しかった冬も終わり、ようやく万座も春めいてきました。志賀草津高原ルートもこの頃開通します。群馬県と長野県の両側から大規模な除雪作業が行われ、見事な雪の回廊が生まれます。開通時の山田峠付近では雪の壁がなんと10mにも達し、この景観を求めて全国から多くの旅行者がここを訪れます。

5月中旬、万座ハイウェーが芽吹き出しました。上州三原から万座温泉まで22?`の万座ハイウェーは、ゆるやかなカーブを描きながら大自然に抱かれた快適なドライブが楽しめます。ハイウェー沿いの木々は前半がカラマツ林とシラカンバ、後半はコメツガ林とダケカンバが主役となっています。

カラマツ林が最も美しいのはこの芽吹きの頃で、黄緑色のかわいい新芽を大きな樹木全体につけ、その様子はまるで山全体が芽吹いているかのようです。



新芽のアップはこんな具合です。



この新緑の頃は森の動物たちも待ちわびた季節です。これは、すっかり夏毛になったオコジョです。かわいいですねえ。


こちらは、まだ冬毛のままのニホンリスです。


これはニホンザルです。毛づくろいをしてもらっているようです。さて、万座で最も多く出会う動物は何だか解かりますか?

正解はニホンカモシカです。よく「カモシカの様な脚」と言いますがこの脚は皆さん、どうでしょうか・・・?
国の天然記念物となっており、この付近には随分多くの個体数が存在しています。厳しい冬の間、ササの葉やヤマウルシなどの樹皮を食べて越冬してきました。また、人を恐れないのでこの時期は道路沿いでもお構いなしでモリモリと草木を食べ、万座に訪れる皆さんを喜ばせています。最近は数が増えすぎたようで、その証拠に森の至るところに彼らの糞が見うけられます。また、この辺りの森の中にはシカが体に付いているダニやノミをとるため、泥地に体を擦り付けた跡がよくあります。これをぬた場といいます。これを知らないで見つけるとギョッとしますね。『こんな山奥に?誰かが何かを埋めた形跡では?』などと勘違いしてしまいます。ニホンカモシカは人を襲うような事はありませんが檜の苗木を食べるので被害が出ている地域もあるそうです。これは余談ですが日本のカモシカやサル、イノシシが近年数増えすぎてしまったのは、森の頂点であった動物がいなくなってしまったからだと言われています。
…それはニホンオオカミです。それで、朝鮮オオカミを輸入し、森に放つ案も出ているらしいのです。しかし、山菜狩りをして野生のオオカミが出てきたらどうしましょう。いや、かえってその方が森林の保全には良いのかもしれません。

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