Sorry, your browser doesn't support Java(tm). 次は、この辺で見られる野鳥達を紹介します。これは皆さんの家の周りでもたびたび見かけるイワツバメで、

こちらはアマツバメです。アマツバメの飛ぶ姿は鎌が猛スピードで駆け抜けているように見えます。これは高空に風や上昇気流で吹き上げられたわずかな小昆虫を、大口を開けて吸い込んでいるのです。ですから、猛スピードで広い面積を捜し回っているのです。晴れた日に空を見上げるとずいぶんこのアマツバメがいる事が解かります。

さて、これは何という鳥でしょう?ヒントは、日本で一番親しまれている鳥です。鳴き声に特徴があります。…正解はウグイスです。いつもヤブの中にかくれていて姿を見せないことが多いのですが、声ははっきりきこえます。ホーは吸う息、ホケキョは吐く息、胸をいっぱいふくらませてさえずります。ホーホケキョと鳴くのは早春ということになっていますが山登りをする人なら、ホーホケキョは春先から盛夏まで聞くことができます。よくウグイスと間違われるのはこの、

メジロです。ウグイス色とはこの色ですよね!?誰か昔の偉い人が間違ってしまったのでしょうか。反省してこの色はメジロ色と改名して欲しいくらいです。



その他美しいルリビタキや、







キビタキ、







そしてビンズイの姿がよく見られます。







また、ウソもたくさんいますが、ミネザクラやコマクサの花もつつくので嫌われ者です。







さて、これは珍しい鳥で高山の愛嬌者、ホシガラスです。ホシガラスは高山に住むカラスの仲間でカケスぐらいの大きさです。全身チョコレート色の地に顔から背、腰にかけて白い斑点が星のようにちりばめられたシックで美しい鳥です。
ホシガラスの好物はハイマツの種、マツボックリです。ふつうの松のマツボックリは熟すと開いて翼のついた種が自然に落ち、風のカで遠くに運ばれます。しかし高山に分布するハイマツのマツボックリは熟しても開かず、種は自然に落下しません。また、マツポックリのまま地上に落ちても種は正常に発芽できません。ですから動物によってマツボックリの中から種が取り出され、土中に埋められる必要があるのです。このような種のまかれ方を動物散布といいます。ホシガラスは秋、ハイマツのマツボックリが熟すとハイマツ帯に現れ、マツボックリから種を取り出し、冬に備えて土中に埋めて貯えます。この貯えられた種の一部が忘れさられ、新しいハイマツとなるのです。このハイマツの種の貯蔵場所の一つに高山の風衝地があります。
これは近くの山で一年中風の吹き止まぬ山、破風岳です。この山は風当たりが強く、冬でも積雪がなく、貯えた種を掘り出すのに都合が良い訳です。私たち人間から見ると植物もほとんど生えず、全く不毛に見えるこの土地もホシガラスにとっては、冬の貯蔵庫としてかけがえのない土地と言えるでしょう。これはほんの一例にすぎませんが、私たちが自然を見るとき、私たちの価値基準だけでみてはいけない良い例だと思います。

これは鳥の巣ではありません。ヤドリギといって他の木に寄生する常緑樹で、熟した種はねばねばしていて、実を食べに来た野鳥の体にくっついて種子を運んでもらいます。
こんな冬枯れの季節でも青葉が繁っているので冬はよく目立ちます。

野鳥の最後はイヌワシのお話です。イヌワシは翼を広げると2m以上にもなる大型の鳥です。ノウサギ、ヤマドリ、ヘビ類などを中心にキツネやタヌキ、ムササビやから小さなアカネズミやヒミズ、カモシカの幼獣、時にはニホンザルの成獣も捕食し森林に住むほとんどあらゆる動物を食べます。オオカミのいなくなった日本の森林の生態系の頂点に位置します。生息数はもともと少ないうえ、最近の森林の荒廃・減少による食物となる小動物の減少、PCBなどの化学物質による生息環境の汚染などで、近年急激に生息状況が悪化し、その数は減少しつつあります。そのため絶滅のおそれのある野生動植物の一つとして、保護対策が行われていますが、法律で捕獲禁止になった今でもヒナの密猟が後を絶えず、この上信越国立公園でも生息数は激減しています。

豊かで美しい森を優雅に飛ぶイヌワシの姿をこれからも見られるように、自然と人間の共存する道を我々は今後考えていかなくてはなりません。

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