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さて、8月下旬の万座や白根は、もうすっかり秋の気配です。夏を賑わせた高山の花々は姿を消し、リンドウが主役に踊り出ます。この辺にはエゾリンドウとオヤマリンドウの2種が咲いています。これがエゾリンドウで、
これがオヤマリンドウです。この二つの違いは、オヤマリンドウの方が花も小さく葉が薄くほっそりしている所です。ところでリンドウという花は奥ゆかしいのか花がちょっとしか開かないので、いつまでが蕾でいつから花が咲いたのかはっきりしないですね。開きそうで開かないままリンドウはこの花の形のまま枯れてしまいます。この花は9月に可憐な紫色の花を咲かせるまでは雑草と区別がつかない程目立たちません。それで隣の志賀高原では、このリンドウを守るために花が枯れて種が落ちてからスキー場のゲレンデの草刈りを行います。この辺では秋の訪れを告げる顔役の花といえるでしょう。
9月に入ると山の果実も熟してきます。これはクロマメノキといって、野生のブルーベリーです。この辺では白根ぶどうとか浅間ぶどうとか呼ばれていて、地元の人は果実酒やジャムに使います。
これはコケモモです。コケモモで作る果実酒はこの実の通り美しいピンク色になり、果実酒のプリンセスとも言われています。
これはメンソール味のシラタマノキです。山の実も色とりどりで綺麗ですね。
これはガンコウランです。酸味と甘味のある黒い実をつけます。さてこれらの山の実はたくさん取れる物でも、取るべき物でもありません。もしジャムやお酒を作ろうと思って入山して1日がかりで取っても、1食分のジャムや1杯分のお酒にしかなりません。しかも上信越国立公園内では植物の採取は禁じられています。取るのはカメラでだけにしてください。
そうしてこれらの低木を観察すると同じ場所にたびたびこのモウセンゴケが見られます。これは葉で腺毛があり,粘液を分泌して小さな虫を捕獲する食虫植物です。群生すると赤いフェルト(毛氈)を敷きつめたように見えることからモウセンゴケと呼ばれています。
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