グリーン・ツーリズム 

ネイチャー赤木はグリーン・ツーリズムインストラクター、及びコーディネーター(i1329号)です。

グリーン・ツーリズムって? 

(財)都市農山漁村交流活性化機構はグリーン・ツーリズムを以下のように考え、推進しています。

■グリーン・ツーリズムとは

「グリーン・ツーリズム」。まだまだ一般的には知られていない言葉ですが、簡単に言うと「農山漁村などに長く滞在し、農林漁業体験やその地域の自然や文化に触れ、地元の人々との交流を楽しむ旅」ということになります。長期バカンスを楽しむことの多いヨーロッパ諸国で普及した旅のスタイルで、日本でも最近”新しい旅のカタチ”として関心を集めています。ひとつの場所に長く滞在し、様々な田舎暮らし体験をする。当然、単なる観光旅行とは異なり、手に入れる感動もより深く、大きなものになるのがグリーン・ツーリズムの大きな魅力です。

■人と人の出会いがある

〜人と人との出会いが旅をより思い出深いものにする〜

グリーン・ツーリズムでは、訪れる人と、滞在先の人々との交流がとても大切なものになります。都市生活者にとっては、体験メニューを経験するにも、地元の人々の豊富な経験と知識に裏打ちされた手助けなしにはなにも出来ないことに驚くはずです。また、例えば米や野菜を作る農業体験では、種まきから収穫まで、一年を通じて地元の農家の人々との交流が生まれ、知らず知らずのうちに、体験者は第二のふるさとを見つけることにもなります。もちろん、「ただ田舎でノンビリする」という旅でもいいのです。都会の喧騒を忘れ、ゆったりとした自然の中に身を置いてみれば、新しい自分に出会えるかも知れません。都市に住む人々にとっては自然と触れ合うことで、心にゆとりを持てるようになる旅であり、農山漁村にとっては地域の活性化につながる旅。それがグリーン・ツーリズムなのです。

■農林漁業体験民宿とは・・

[グリーン・ツーリズム]を実現する宿

都会に暮らす人々が、地方の農家や林家、漁家に滞在して、農山漁村の仕事や生活を実感・体験できる宿泊施設、それが体験民宿です。正式名称は「農林漁業体験民宿」といい、豊かな自然環境を守りながら、訪れた人々に、様々な農林漁業作業の機会を提供することによって、物を造り育てていくことの大切さや収穫の喜びをなどを、実際に味わってもらいます。体験民宿は、いわばグリーン・ツーリズムの拠点であり、利用者にとって第二の故郷なのです。体験民宿で用意されている体験メニューには様々なものがあり、利用者はそれぞれが希望する体験メニューを選んでから宿泊場所を決めていくことになります。ただ、季節ごとに体験可能なメニューも変わりますので、必ず出かける前に電話をして、希望に体験が出来るかどうか確認してください。他にも体験民宿では、自分の畑や目の前の海や山で採れたばかりの新鮮な素材を活用して特産品・加工品を宿泊者に直接販売してくれたり、自慢の郷土料理を夕食として提供してくれたりと魅力いっぱいです。
農山漁村は、生活の場であると同時に、訪れる者にとっては楽しい余暇空間でもあります。都市と農山漁村の交流の窓口となり、訪れるひとの旅をより感動深いものにしてくれる、それが農林漁業体験民宿なのです。

いかがでしょうか。要するにグリーン・ツーリズムとは「農山漁村で楽しむ、ゆとりある休暇」ということです。解りやすいキーワードをいくつか紹介します。

☆旅ではなく他火

ハイテクで高級な設備ではなく田舎・昔ながらの工夫・知恵による囲炉裏、薪ストーブ。人の造る温かみ。人情味あふれる温もり。

☆ファストフードではなくスローフード

都市でビジネスマンが忙しくファストフードを食べる→田舎で、その土地になじんだものを育て、収穫し、ゆっくり楽しんで食べる。

☆モノ・カネ・システム社会ではなく人と暮らし主体の社会へ

消費生活と経済の世界から人間と自然が基軸となる生活・食文化へ。

☆真の国土の守り手は農・林・漁

米を作ることが森林を造る。林業を続け木を使うことが土壌を造る。漁師が体を張って水を見守っていることへの再確認。

みどりへの回帰イコール生命への回帰。人間らしい生活に触れる場を提供するのがグリーン・ツーリズムである。…と私は考えています。
また、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)の施行により、グリーン・ツーリズムにおける活動が広範囲で規制緩和となり、今後急速に伸びていく分野となります。表にすると、

項目
施行前
施行後
市民農園 市民農園の開設主体は、地方公共団体か農業協同組合とする それ以外の者でも市民農園の開設が可能
農家民宿の消防用設備 農家民宿は通常の民宿と同じ消防用設備の設置が必要 地元の消防長の判断により、非難が容易であるなのど条件を満たせば「誘導灯・誘導標識」及び「消防機関への警報装置」の設置が省略可能
農家民宿の濁酒の製造 「どぶろく」(濁酒)の製造許可を得るためには最低でも6kl以上の製造量が必要 農家民宿の経営者が全て自ら作った米から「どぶろく」を製造し提供する場合は、6kl未満の製造量でも製造免許の対象
農業生産法人の業務 農業生産法人の農家関係事業の範囲は、農畜産物の貯蔵、運搬、販売、資材製造、農作業受託に限定 農作業体験施設の設置・運営や民宿を経営することが可能
農家民宿 農林漁家が民宿を開業する場合、33?u以上の客室面積が必要 33?u以下の客室面積でも、簡易宿泊所の許可を得ることが可能
農家民宿の送迎 宿泊者に対する送迎は、「白タク営業」にあたる? 農家民宿が宿泊サービスの一環として行う送迎輸送は、道路運送法の許可対象外であることが明確化
農家民宿の体験企画 体験ツアーの販売・広告をするのは、旅行業法に抵触する? 農家民宿がグリーン・ツーリズムの企画(体験ツアーなど)を販売・広告する場合、ツアー主催者が自ら行う販売・広告は、旅行業法の対象にならないことが明確化

グリーン・ツーリズムの思想は、私が紹介していきたい「ニッポンの人風景」のまさにそれであり、今後力を入れて取り組んで行きます。

(2004年3月24日)

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